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売買契約書 第14条 賃貸借契約の承継

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売買契約書 第14条 賃貸借契約の承継

  

条文例 
  1.  売主及び買主は、本契約締結日において、本物件の建物につき、売主と建物賃借人との間に、別紙「建物賃貸借契約一覧」のとおり、建物賃貸借契約が締結されており、その賃借権の負担付で本物件を売買したことをお互いに確認し、買主は、所有権移転と同時に賃貸借契約等において売主が有する賃借人としての権利義務の一切を承継するものとします。
  2. 売主及び買主は、互いに協力して、引渡後すみやかに本物件建物の所有者及び賃貸人の名義変更について、本件賃借人に対し通知するものとします。
  3. 買主は、引渡時までに、本件賃借人からの賃貸借契約等の解約等が行われる場合があることを承諾し、引渡時の賃貸借契約を承継するものとします。なお、引渡時までに、賃借人からの解約等が発生した場合、売主は、買主に対して、遅滞なくその旨を通知するものとしますが、本契約には何等の影響を与えないものとし、買主は、売主に対して、売買代金の減額請求、その他何らの請求、異議申立てを行わないものとします。
  4. 売主は、引渡時までに、本物件建物につき新たに賃貸借契約を締結し、又は賃貸借契約等を変更もしくは売主から解約等する場合には、その条件および締結、変更もしくは解約等の可否について買主と協議し、買主の承諾を得なければならないものとします。

 

解説
  1. 投資用不動産特有の条文です。ひと言でいってしまうと、賃貸借契約の負担付きで売買しますよという内容です。
  2. 物件の引渡しを受けた後、すみやかに賃借人に対して「所有者及び賃貸人の変更」を通知します。この書類は、管理会社もしくは仲介会社が作成し売主・買主押印のうえ、ポストに投かんします。本書面の意図としては、所有者・賃貸人が変更したことを知らせること、新オーナーの賃料の振込先を通知すること、賃貸借契約の内容に相違がないかを確認することになります。
  3. 不動産の取引では、契約後から決済引渡しまで期間があります。その間に賃貸借契約の解約があることもあります。取引では、「引渡日時点の賃貸借契約」を承継するものであって、仮に契約後に想定外の退去があって、想定の賃料が得られないとしてもそのまま物件を引き渡しますよという条文です。
  4. 上記4と同様に契約後から決済引渡しまでに「解約」以外にも「新規での賃貸借契約締結」「賃貸借契約の変更・更新」があることがあります。その場合、売主が勝手に決めるわけではなく、買主と相談しましょうという内容です。具体的な話をしますと、例えば契約後に相場10万円の部屋を売主が勝手に5万円で賃貸借契約を締結した場合、買主は不利になります。こういったことを避けるための条文です。

 

賃貸借契約の承継の注意点

物件の決済引渡が行われた後、賃借人に「所有者及び賃借人の変更通知」を通知します。オーナーが変更したことを伝えるためです。賃借人がオーナー変更したことをしらなければ賃料は入金されません。賃借人への通知方法は、管理会社及び仲介会社と相談が必要です。

注意点としては、賃料の清算についてです。引渡日をもって売主・買主の収益を区分しますが、賃料の多くは、当月分を前月末までに振込などの前払いになって時間差ができますので、売主・買主でどのように清算をするか取り決めておく必要があります。特に滞納や入金の遅れがある場合は、事前に取り決めをしておく必要があります。

 

本条文は、投資用不動産特有の条文であり、大事なところです。内容を把握した上で取引を行いましょう。

 

 

 賃貸人の地位を主張するための要件

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 敷金・保証金の返還債務

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