ローリスク不動産投資

不動産のリスクをどう最小限にするか、独自コメント不動産マメ知識を紹介します

重要事項説明書 ~解説・注意点②~

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1.土壌汚染対策法

土壌汚染対策法は、土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的とする。

 

特定有害物質、土壌汚染の定義は?

特定有害物質とは、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の物質(放射性物質を除く。)であって、それが土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるものとして政令で定めるものをいいます。土壌汚染対策法による土壌汚染とは、一定基準値以上の有害物質が存在するため、それを除去しなくてはならない状態をいいます。

 

注意点① ~土壌汚染の調査~

土壌汚染の調査は、すべての土地で必要なわけではなく、汚染の可能性が高い土地について行います。調査が行われる場合は、下記の4つがあります。

①使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地の所有者等に汚染の有無を調査するケース(土壌汚染対策法3条

②3,000㎡以上の土地の形質を変更する時は、30日前までに、一定事項をとどけでなければなりません。そして、都道府県知事は、形質変更により土壌汚染のおそれがあると認める時は、土壌汚染の有無の調査を命じることができます(土壌汚染対策法4条

③土壌汚染による健康被害のおそれがある時の調査で、お道府県知事は、土地所有者等に対して、汚染の有無を命じることができます。(土壌汚染対策法5条

④自主調査です。なお、自主調査により土壌汚染が判明した時は、規制対象区域への指定を申請できますが、申請はあくまでも任意で義務ではありません。

 

土壌汚染対策法上の区域指定

土壌汚染により規制を行う区域は、健康被害防止の必要性により要措置区域と形質変更時要届出区域のふたつに区分されます。

①要措置区域

土壌汚染が判明して、健康被害発生のおそれがある土地です。

②形質変更時要届け出区域

土壌汚染が判明したものの、汚染の拡散がなく、健康被害が発生する恐れがない土地です。

 

 

2.公有地の拡大の推進に関する法律による規制

公有地の拡大の推進に関する法律(通称、公拡法(こうかくほう)という。)とは、地方公共団体が行う公共事業を事業実施に先立って取得する制度です。

 

土地の有償譲渡の届け出義務(公拡法4条)

一定の区域内の土地を有償で譲渡しようとする場合、その土地を公共団体が必要な時優先的に買い受けできるように、契約前に都道府県知事に届け出なければなりません。(公拡法4条)

該当するケースは、下記の通りです。

①市街化区域内の5,000㎡以上の土地

②上記以外で都市計画区域内にある10,000㎡以上の土地

③都市計画施設の区域に所在する土地

④都市計画区域内に所在する土地で次にかかげるもの

・道路法により道路の区域が決定された土地

・都市公園を設置すべき区域として決定された土地

・河川法により河川予定地として指定された土地

・その他政令でさだめる土地

⑤一定の土地区画整理事業、住宅街区整備事業の施行区域にある土地

⑥生産緑地内に所在する土地

 

届出不要のケース

①当事者の一方が、国、地方公共団体等

②都市計画施設等として譲渡されるもの

③開発行為の開発区域に含まれる場合

④国土利用計画法の許可または届け出が必要な場合

⑤原則として200㎡未満の土地 

⑥文化財保護法の適用を受ける土地 など

 

土地の買取り希望の申出(公拡法5条)

一定の条件を満たす土地所有者は、その土地を都道府県知事に対して買取希望を申出することができます。

 

3.農地法

農地法の法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ、農地を農地以外のものにすることを規制するとともに、農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し、及び農地の利用関係を調整し、並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り、もつて国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的としています。

 

農地の定義

ここでいう農地の定義とは、耕作の目的に供される土地をいい、登記簿上の地目とは無関係で、客観的事実状態(現況)により判断する。

  

 

農地法3条、農地法4条、農地法5条

 農地法3条、農地法4条、農地法5条について、何がどのように異なるのかについて説明していきます。

  • 農地法3条は、権利移動についてです。農地を農地として、採草放牧地を採草放牧地として、採草放牧地を農地とする場合です。原則農業委員会の許可が必要です。
  • 農地法4条は、転用についです。すなわち農地を転用する場合が該当します。原則都道府県知事の許可が必要ですが、市街化区域の場合は、農業委員会への事前届出で足ります。
  • 農地法5条は、権利移動と転用についてです。転用目的で使用収益権を移転する場合が該当します。原則都道府県知事の許可が必要ですが、市街化区域の場合は、農業委員会への事前届出で足ります。

 

 

注意点②~農地法の許可及び届出~

農地および採草放牧地の売買等を行う場合、許可が得られなければ、売買等は効力が発生しません。ただし、市街化区域の農地または採草放牧地の転用のための売買等については、許可ではなく届け出があればよいとされています。なお、転用届出は、農業委員会に農地転用届出等を提出して行いますが、各地方自治体により、申請日により届出受理まで日数が異なるため、注意が必要です。

 

4.文化財保護法

文化財保護法は、文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もつて国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的としています。

 

文化財の定義
  1. 有形文化財とは、建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料をいう。
  2. 無形文化財とは、演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いものをいう。
  3. 民俗文化財とは、衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないものをいう。
  4. 記念物とは、貝づか、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で我が国にとつて歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で我が国にとつて芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で我が国にとつて学術上価値の高いものをいう。
  5. 文的景観とは、地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないものをいう
  6. 伝統的建造物群とは、周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの。

 

周知の文化財包蔵地の指定

文化財が地中に埋まっていることが知られている土地を周知の埋蔵文化財包蔵地といいます。埋蔵文化財包蔵地や近くに遺跡があり、地下に文化財が埋まっている可能性がある場所では、建物を建築する時に届出をし、調査のための試掘をしなければいけません。そして、調査には時間がかかり、費用は原則申請者負担となりますので、土地開発には影響が大きくとても重要な項目です。

調査が必要な区域かどうかは、地域の教育委員会等で調べます。

 

なお、余談ですが、国宝・重要文化財には、建築基準法は適用されません。

 

5.宅地造成等規制法

宅地造成等規制法は、宅地造成に伴う崖崩れ又は土砂の流出による災害の防止のため必要な規制を行うことにより、国民の生命及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉に寄与することを目的とする。

 

 宅地造成等規制法の宅地の定義
  1. 宅地とは、農地、採草放牧地及び森林並びに道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供されている土地以外の土地をいう。
  2. 宅地造成とは、宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更で政令で定めるもの(宅地を宅地以外の土地にするために行うものを除く。)をいう。
 

※土地の形質の変更で政令で定めるもの

①高さ2mを超えるがけを生ずる切土

②高さ1mを超えるがけを生ずる盛土

③切土と盛土を同時にする場合であって、盛土により生ずるがけが1m以下であっても、切土と盛土により高さ2mを超えるがけを生ずる場合

④切土と盛土をする土地の面積が500㎡を超えるもの

 

 

宅地造成等規制区域内での宅地造成

宅地造成等規制区域内で宅地造成工事を行おうとするものは、都道府県知事等の許可を受けなけばなりません。

 

 

6.景観法

景観法は、我が国の都市、農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため、景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り、もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的としています。

 

景観法の基本理念
  1. 良好な景観は、美しく風格のある国土の形成と潤いのある豊かな生活環境の創造に不可欠なものであることにかんがみ、国民共通の資産として、現在及び将来の国民がその恵沢を享受できるよう、その整備及び保全が図られなければならない。
  2. 良好な景観は、地域の自然、歴史、文化等と人々の生活、経済活動等との調和により形成されるものであることにかんがみ、適正な制限の下にこれらが調和した土地利用がなされること等を通じて、その整備及び保全が図られなければならない。
  3. 良好な景観は、地域の固有の特性と密接に関連するものであることにかんがみ、地域住民の意向を踏まえ、それぞれの地域の個性及び特色の伸長に資するよう、その多様な形成が図られなければならない。
  4. 良好な景観は、観光その他の地域間の交流の促進に大きな役割を担うものであることにかんがみ、地域の活性化に資するよう、地方公共団体、事業者及び住民により、その形成に向けて一体的な取組がなされなければならない。
  5. 良好な景観の形成は、現にある良好な景観を保全することのみならず、新たに良好な景観を創出することを含むものであることを旨として、行われなければならない。

 

景観法の規制と用語

景観法は、平成16年に施行された比較的新しい法律です。

景観法の主要な用語は下記の通りです。

 

①景観行政団体

景観行政団体とは、景観行政の主体となる地方公共団体のことです。

・政令指定都市及び中核市

・その他の区域では都道府県

・景観行政を積極的に推進したい市町村は、都道府県知事の同意を得て、景観行政団体となることができる。

②景観計画区域

景観計画区域とは、現在すでにある良好な景観を保全すべき区域、あるいは地域の自然・歴史・文化等からみて良好な景観を形成すべき区域です。区域内で建築物の建築にあたっては届け出をし、不適当と認められる場合は、勧告をします。

③景観地区

良好な景観をつくるために景観計画区域を指定しますが、より積極的に景観形成を進める方策として、都市計画法の地域地区である景観地区を指定して、建物の建築や工作物のデザイン・色彩などを規制することができます。

 

7.建築協定

建築基準法は、最低限の規準であるため、より良い住環境を望む人たちにとってやや物足りないものに感じるかもしれません。そこで、一定の地域の住民が同意して建築に関する協定を結ぶことができるようにされています。

 

建築協定が締結できる区域

市町村は、その区域の一部について住宅地としての環境又は商店街としての利便を高度に維持増進する等、建築物の利用を増進し、かつ、土地の環境を改善するため必要があると認める場合においては、建築協定を締結することができることを、条例で定めることができます。

 

建築協定の締結

建築協定は、土地の所有者及び借地権者の全員の合意により一定の区域を定め、その区域内における建築物の敷地、位置、構造、用途、携帯、意匠又は建築設備に関する基準についての協定を艇蹴るすることができます。

 

建築協定の変更・廃止について

建築協定区域内における土地所有者等は、全員の合意により内容を変更することができます。また、建築協定区域内における土地所有者等は、過半数の合意により建築協定を廃止することができます。

高級住宅地では、こういった協定が多いです。チバリ―ヒルズにも建築協定があります。

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8.供給施設

飲用水の種類

飲用水は、大きく分けると「水道」「井戸」に分けられます。「水道」は、事業主体に応じて「公営」「私営」に分けられます。基本的には、公営がほとんどです。公営は、地方公共団体が水道事業を運営、維持管理していくものですが、私営の場合は、民間が水道法にもとづく許可を得て、別荘などに給水を行う場合があります。

ちなみに、重要事項説明書にチェックがなされているものは、「直ちに利用可能な施設」という意味合いでチェックがされています。

 

注意点③~飲用水~

①対象不動産に古い建物が建っており、引込管が13mmなど口径が細い場合は、建築時に口径の変更が必要となる場合があります。

②対象不動産が更地である場合等、新規に水道を引込み使用する場合には、水道を使用する権利を得るために水道事業者に受益者負担金等を支払う必要があります。

 

ガスの種類

ガスは、大きく分けると「都市ガス」「プロパン」に分けられます。

「都市ガス」は、地域によりガス事業者の供給しているカロリー数が異なります。「プロパンガス」は、「個別プロパンガス」「集中プロパンガス」に分けられます。「個別」は、各個別にボンベに詰めたガスを供給する方式です。「集中」は、一団の分譲地等において集中供給施設を設けその施設から各戸に供給を行う方式です。

ちなみに、重要事項説明書にチェックがなされているものは、「直ちに利用可能な施設」という意味合いでチェックがされています。

 

注意点④ ~ガス~

①上記で一部説明をしていますが、現状プロパンガスを使用しており、前面道路に都市ガス管が埋設予定となっている場合、負担金がかかる場合があります。

②プロパンガスの場合、プロパンガス販売会社が提供していますが、配管設備の所有権の帰属先や管理責任の区分が販売会社によって異なりますので、注意が必要です。プロパンガスは、10年契約など(そのかわり給湯器を無料交換したりしている)をしている場合は中途解約に違約金(残存金)が発生する場合があるので確認が必要です。

 

排水施設の種類

まず、排水施設は、「汚水」「雑排水」「雨水」があります。

 汚水」は、「公共下水」「浄化槽」に分けられます。「公共下水」は、下水道の処理区域内において最終処理場へ接続されている下水管に直接放流されるものです。「浄化槽」は、下水道の処理区域外で地方公共団体が指定した区域等において、原則として居住用の一戸建てを水洗便所にする際に用いる汚水処理装置で、各戸別に設置する「個別式」と分譲団地等に設置する「集中式」があります。

雑排水」とは、台所、浴室及び洗面所等から排水される生活排水をいいます。処理方法は、公共下水、個別浄化槽、集中浄化槽、側溝、浸透式の5つに分かれます。

雨水」は、基本的な考えとして汚染されていない排水として考えられます。そのため、公共下水か側溝等に排水される場合と宅地内に浸透させることがあります。

 

注意点⑤ ~排水施設~

①浄化槽には、水洗便所からの汚水のみを処理する単独と汚水と雑排水をあわせて処理する合併の2つがあります。

②浄化槽から公共下水に整備される場合、負担金がかかる場合があります。

 

9.土砂災害防止対策推進法の目的

この法律は、土砂災害から国民の生命及び身体を保護するため、土砂災害が発生するおそれがある土地の区域を明らかにし、当該区域における警戒避難体制の整備を図るとともに、著しい土砂災害が発生するおそれがある土地の区域において一定の開発行為を制限し、建築物の構造の規制に関する所要の措置を定めるほか、土砂災害の急迫した危険がある場合において避難に資する情報を提供すること等により、土砂災害の防止のための対策の推進を図り、もって公共の福祉の確保に資することを目的としています。 

 

土砂災害警戒区域

土砂災害警戒区域は、土砂災害防止法に基づき、土砂災害を防止するために警戒避難体制を整備すべき地域に対して指定される区域です。また、現在指定されていないが、自治体で指定するか否かを調査中というケースもありますので、注意が必要です。

 

広島で起きた大規模の土砂災害

2014年広島で大規模な土砂災害が起きました。被害が大きくなった背景には、災害現場の大半が「土砂災害危険箇所」でありながら、自治体に避難体制を義務付ける「土砂災害警戒区域」ではなかったことであると言われています。こういった事態を受けて、土砂災害防止法の改正及び緊急調査を行っています。

 

現地確認が最も重要

不動産の購入にあたっては、現地確認が重要です。土砂災害警戒区域に指定されているかどうかを重要事項説明書で確認することも大事ですが、結局のところ現地に行って物件を確認した際に、傾斜地があるのかどうか等の確認がまず第一です。ここで、傾斜地であった場合等は土砂災害警戒区域に該当しているかどうかなどを確認するという手順だと思います。

 

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