平成31年地価公示は上昇。実勢価格は本当に上昇しているのか!?

地価公示とは?

地価公示とは、国土交通省が、標準的な土地の取引価格の指標として、毎年1月1日時点の土地価格を算定したものです。また、地価調査という似た価格があります。これは、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を算定したものです。

地価公示と路線価の違い

地価公示とは、国土交通省が、標準的な土地の取引価格の指標として、毎年1月1日時点の土地価格を算定したものです。

次に、路線価についてです。路線価は、2つあります。相続税路線価と言われる相続税や贈与税の基礎となる価格と固定資産税路線価と言われる固定資産税や都市計画税などの基礎となる価格の2種類があります。一般的に、路線価と話をする場合は、相続税路線価をさすことが多いです。

つまり、地価公示と相続税路線価と固定資産税路線価は、使用される目的が違います。なお、地価公示の価格を10とした場合、相続税路線価が8、固定資産税路線価が7という大まかな価格水準が存在しています。

平成31年度地価公示の発表について

平成31年3月20日に、平成31年1月1日時点の地価が公示されました。(地価公示)

全国平均で、全用途平均・商業地は4年連続、住宅地は2年連続の上昇となり、上昇基調を強めています。

東京・大阪・名古屋の3大都市圏において上昇基調を強めるととおに、地方圏においても住宅地が平成4年以来27年ぶりに上昇に転じるなど、地価の回復傾向が全国的に広がっています。

特徴的な動きをした地点について

大阪中央5-24

大阪中央5-24(平成31年1月1日時点の地価は1,200,000円/㎡で、前年比44.4%の上昇)

大阪市中央区の黒門市場内に置かれている地点です。難波や道頓堀に近接する黒門市場では、外国人観光客の増加による店舗需要の高まりを受けて、商業地として全国2位の上昇率となりました。

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大阪中央5-24
那覇ー19

那覇ー19(平成31年1月1日時点の地価は351,000円/㎡で、前年比30.0%の上昇)

沖縄県那覇市の新都心地区のおもろまちに置かれている地点です。那覇新都心の再開発地区は、高い利便性と良好な居住環境により人気の高い地域であり、マンション適地の需要が強く、住宅地として全国3位の上昇率となりました。

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那覇ー19

地価公示は、実勢価格より半年トレンドが遅い!今、本当に上昇している?

地価公示は、国土交通省が、不動産鑑定士の中から、国土交通省土地鑑定評価員を選定し、実勢価格の調査、不動産価格のトレンドなどを価格時点の約半年前から調査、協議して決定します。

つまり、地価公示の価格時点である1月1日の価格は、前年の7月くらいから調査、協議していくことになります。取引事例についても当然1月1日より以前のものを採用し、不動産価格のトレンドを把握するための実地でのヒアリング調査も1月1日より大分前に行うわけです。

もちろんそこからの時点修正もかねているわけですが、私は地価公示価格は、実勢価格より半年トレンドが遅いと感じています。今回の地価公示の発表は、軒並み上昇という景気のいい言葉が使われていますが、実勢相場は一部の地域を除いて横ばいから下落トレンドに突入しています。

地価公示は、あくまで参考という捉え方をしておくといいでしょう。