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【判例】納骨堂の非課税ではないのか!?

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東京地裁平成28年5月24日、納骨堂の課税・非課税について、判決が出たものについて、賛否が出ています。今回は、納骨堂の課税・非課税について話をしていきます。

 

固定資産税とは?

固定資産税は、毎年1月1日現在の土地、家屋及び償却資産の所有者に対し、その固定資産の価格をもとに算定される税額を所在する市町村が課税する税金です。

 

税金が賦されない固定資産

通常、土地等の固定資産を所有している場合には、固定資産税等の税金が賦かされます。しかし、固定資産には、地方税法の規定により利用形態等の要件を満たすことで固定資産税が非課税になるものがあります。

代表的なものの一つに墓地があり、墓地の固定資産税は非課税となります。ただ、納骨堂にはこのような規定がありません。争点となったのは、納骨堂が地方税法第348条2項3号に規定する境内建物及び境内地に該当するかどうかです。

地方税法第348条第2項3号

「宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内地」

 

納骨堂の課税

判例の概要

東京地裁平成28年5月24日、納骨堂の課税・非課税について、判決が出ました。

これは、ある寺院所有の納骨堂に課税した行政の対応に対して、寺院が不服を申し立てましたが、認められず、納骨堂への賦課処分は適法であると裁判所が判断しました。

 

裁判所の判断内容

裁判所は、「宗教法人法第3条に規定する境内建物及び境内地とは、当該宗教法にとって、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教科育成するという主たる目的のために必要な当該宗教法人にとって本来的に欠くことのできない建物、工作物及び土地で、同条同号に列挙されたようなものであると解される。

また、地方税法348条2項3号にいう宗教法人が専らその本来の用に供するとは、当該宗教法人が、当該境内建物及び境内地を専らその宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教育育成するという宗教団体としての主たる目的を実現するために使用している状態にあるものをいうと解されます。要件該当性については、当該建物及び土地の実際の使用状況について、一般の社会通念に基づいて外形的、客観的にこれを行うべきである。」と述べました。

 

裁判所は、上記基準を前提として、本件事例にに当てはめて次の通り判断しました。「本件非課税対象外部分の使用状況を、一般の社会通念に基づいて外形的、客観的にみると、当該寺院は、本件非課税対象外部分につき宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、信者を教化育成するという主たる目的のために使用していないとはいえないが、当該目的のために必要な、本来的に欠くことのできない建物の一部であると評価することにはやや困難がある。

また、仮にそのような評価が可能であるとしても、本件納骨堂の使用者については宗旨宗派を問わないとされているのみならず、本件建物においては、当該寺院以外の宗旨宗派の僧侶等が主宰する法要などの儀式行事が行われることが許容され、その場合、使用者は当該寺院に対して施設使用料を支払うこととされ、実際にも、それが例外的とはいえない割合で行われており、当該寺院は、上記のような使用者を訴外会社を通じて広く募集していることに照らすと、当該寺院が、上記の各部分(本件非課税対象外部分)を、専ら、宗教団体としての主たる目的を実現するために使用している状態にあるとは認められないといわざるを得ない。」

 

まとめ

裁判所は、当該寺院が当該施設を自らの教義を広めるために使っていたかという観点から、他宗派のために使っている等の諸般の事情を考慮して、税金の賦課は妥当であると判断したということです。

墓地については、地方税法上明確に賦課されない固定資産と定められていますが、納骨堂は規定がないため、このような問題が生じたということです。いずれにしても、当該寺院にとっては土地建物の固定資産税が賦かされるか否かで支出は大きく異なります。

 

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