ローリスク不動産投資

不動産のリスクをどう最小限にするか、独自コメント不動産マメ知識を紹介します

重要事項説明書 ~解説・注意点③~

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1.津波防災地域づくりに関する法律の目的

この法律は、津波による災害を防止し、又は軽減する効果が高く、将来にわたって安心して暮らすことのできる安全な地域の整備、利用及び保全(以下「津波防災地域づくり」という。)を総合的に推進することにより、津波による災害から国民の生命、身体及び財産の保護を図るため、国土交通大臣による基本指針の策定、市町村による推進計画の作成、推進計画区域における特別の措置及び一団地の津波防災拠点市街地形成施設に関する都市計画に関する事項について定めるとともに、津波防護施設の管理、津波災害警戒区域における警戒避難体制の整備並びに津波災害特別警戒区域における一定の開発行為及び建築物の建築等の制限に関する措置等について定め、もって公共の福祉の確保及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的としています。

 

津波災害警戒区域

 津波防災地域づくりに関する法律に基づく「津波災害警戒区域」は、国交省が定める津波防災地域づくりの推進に関する基本的な指針にもとづき、ハザードマップの作製、津波避難訓練の実施、指定避難施設の指定等の非難の円滑化の措置を講じることとされています。 

 

東日本大震災からの教訓

平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、それまでの想定を大幅に上回る津波等により、東日本の太平洋沿岸の広範に甚大な被害をもたらし、多くの人の命を奪う結果となりました。国は、津波の災害の防止、将来にわたって安心して暮らすことのできる地域づくりをしていくことを目的として「津波防災地域づくりに関する法律(平成 23 年法律第 123 号)」を平成 23 年 12 月に施行されました。

 

重要事項説明書には、対象不動産が津波災害警戒区域内か否かの説明がされます。なお、東京都では、「津波災害警戒区域」の指定が進んでおらず、未指定になっています。

 

 

2.石綿使用調査

重要事項説明書で説明される石綿(アスベスト)については、石綿使用調査結果の記録の有無を記載します。現在、石綿使用調査は義務ではありませんので、調査記録があるかないかをまず記載します。ここで記録が帆残されている場合は、①調査機関②調査の範囲③調査年月日④石綿の使用の有無⑤石綿の使用の個所が説明されます。

石綿(いしわた)とは、天然の鉱物繊維で「アスベスト」と呼ばれています。蛇紋石系(クリソタイル)と角閃石系(クロシドライト))に大別されます。アスベストは、耐久性、耐熱性などの特性に非常に優れ、過去様々な用途に広く使用されてきた。しかし、飛散した石綿繊維を大量に吸引すると、肺がんなどを引き起こすと言われ現在は製造禁止になっています。

 

石綿の歴史と現在

アスベストの歴史としては、過去様々な用途に使用されてきましたが、段階的に禁止、使用中止となってきました。現在においても、吹きつけアスベスト、アスベストを含む断熱材などが用いられた建設物から、解体時にアスベストが飛散することについても問題とされ、平成18年の宅建業法の改正時に重要事項説明にアスベストについて説明することが追加されています。

 

 

3.耐震診断の有無

まずは、旧耐震(昭和56年5月31日以前に建築確認を受けたもの)に該当するかどうかです。次に旧耐震基準の建物で耐震診断の有無について記載をします。耐震診断の記録がある場合を、その内容を記載します。なお、耐震診断の記録で、耐震基準に適合していない場合は、買主に重要事項説明書をもって説明されます。

 

注意点①~新耐震基準と旧耐震基準の違いは?~

1981年(昭和56年)に耐震基準が大きく改正され、新耐震基準が誕生しました。新耐震基準と旧耐震基準との違いはなんでしょうか。旧耐震基準は、「震度5程度の地震でも倒壊しないこと」という基準で、新耐震基準は、「震度6強以上の地震でも倒壊しない」という基準です。

基準日は、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けたものは、新耐震基準となります。逆に昭和56年5月31日以前に建築確認を受けたものは、旧耐震基準となります。

 

4.建築確認・検査済証

重要事項説明書では、建築確認と検査済証の取得年月日と番号を記載します。検査済証が取得されていない場合は、その旨が記載されます。なお、建築確認と検査済証は、建築物だけでなく昇降機(エレベーター)もありますので、その記載も必要となります。

 

建築確認とは

建物を建築する際に、工事着手前に建築基準に適合している旨の確認ををとる制度です。建築確認を受けると建築確認の取得年月日と番号が記録されています。(古いものは各自治体に保管されていません。保管されている年度の基準は各自治体により異なります)なお、建築確認は、増改築している場合もありますので、建物が増改築している場合は増改築時の確認もしましょう。

 

検査済証とは

建築確認が必要な建物の工事が完了した際に、完了検査を受けると検査済証が発行されます。平成の初期くらいまではアパートや戸建住宅くらいだと完了検査を受けないケースは結構ありました。現在は、2005年の耐震偽装問題(姉歯事件)を機に検査済証をとることが当たり前になっています。背景としては、金融庁が検査済証のない物件に対して融資を行わないよう各金融機関に指導したことと言われています。 

 

注意点② ~検査済証がない場合~

検査済証がない場合に、なぜないのかを業者に確認しましょう。平成初期のアパートなどは、ただ単にお金がかかるので完了検査を受けてなく、検査済証がないということはあります。しかし、建築確認を受けたが、実際建てた建物は、容積オーバーした建物であったとか、こういう理由の場合は融資利用がより厳しくなります。そのため、把握できる限りでなぜ検査済証がないのかの確認をしておくことが必要です。

 

 

5.金銭の貸借のあっせん

この項目では、買主が不動産を購入する場合、融資の条件等を認知することによって、融資非承認時のトラブル回避を防止するために宅建業者が説明するものです。

 

宅建業者のあっせん

宅建業者がローンのあっせんを行う場合、買主が融資条件を確認できるようにするため、金融機関名、融資金額、金利、借入期間等を記載します。

買主が、自身で取引金融機関に融資を申し込む場合、勤務先関係による社内融資、共済融資等の場合は、非あっせんローンとなります。非あっせんローンについては、宅建業法上は説明義務はありませんが、「融資利用の特約」を適用させるものについては、同様に金融機関名、融資金額、金利、借入期間等を記載します。

 

融資利用の特約の融資限度額について

融資利用特約を適用する時の融資額は、売買代金を上回らない範囲が原則となります。ただ、例外ケースとして売買代金以外に諸経費等を含めた金額を融資するケースもあります。このような場合、売買代金を超えて融資を受ける旨を説明します。

 

注意点③~「融資承認取得期日」と「融資利用の特約に基づく契約解除期日」~

売買契約書・重要事項説明書ともに、「融資承認取得期日」「融資利用の特約に基づく契約解除期日」のふたつが記載されていることが多いです。融資承認取得期日は、そのタイトルの通り、金融機関にその日までに融資承認を取得してくださいねという日付です。融資利用の特約に基づく契約解除期日は、融資承認取得期日までに融資非承認となり、契約解除に向けて作業する期間です。

なお、「融資承認取得期日」から「融資利用の特約に基づく契約解除期日」までは、おおむね1週間くらいの期間を設けていることが多いです。

 

  

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